AI電話サービスを導入すると、代表電話の一次受付や問い合わせ対応を自動化し、電話対応の負担を減らせます。
一方で、実際に導入しようとすると、
- 何から設定すればよいのか
- IVRはどう作ればよいのか
- AIには何を聞かせればよいのか
- 通知先はどう決めればよいのか
- 本番前に何をテストすればよいのか
と迷うことも少なくありません。
AI電話サービスは、契約してすぐに使い始めるだけではなく、自社の電話業務に合わせて受付の流れを設計することが重要です。
基本的には、
現状整理
→ IVR設計
→ 質問設定
→ 通知先設定
→ テスト
→ 本番運用
という順番で進めると、導入しやすくなります。
この記事では、AI電話サービスを導入するときの設定方法と、運用開始までの流れを6つのステップに分けて解説します。

AI電話サービスを導入する前に決めておきたいこと
AI電話サービスの設定を始める前に、まず現在の電話対応を整理しておく必要があります。
ここを飛ばしてすぐにIVRや音声案内を作ると、必要以上に複雑な設定になりやすくなります。
まず確認したいのは、次のような項目です。
- どのような電話が多いか
- 誰から電話がかかってくるか
- どの電話をすぐ対応する必要があるか
- どの電話なら折り返しで問題ないか
- 営業電話はどのくらいあるか
- 営業時間外の電話はどのくらいあるか
たとえば、代表電話に、
- 新規問い合わせ
- 既存顧客
- 営業電話
- 採用関係
- 業者からの連絡
が混在している場合、AI電話サービスではまず「電話の種類を整理すること」が重要です。
ステップ1.現在の電話対応を整理する
最初のステップは、現在どのような電話が発生しているかを整理することです。
電話の種類を洗い出す
1週間程度でもよいので、実際の着信内容を記録してみましょう。
たとえば、
- 新規問い合わせ
- 既存顧客からの連絡
- 予約
- 営業電話
- 採用問い合わせ
- 業者からの連絡
- 社内担当者への取り次ぎ
などに分類します。
「すぐ対応」と「後で対応」を分ける
すべての電話をリアルタイムで人が対応する必要はありません。
たとえば、
すぐ対応したい電話
- 緊急性の高い問い合わせ
- 重要顧客からの連絡
- 当日の予約変更
後で折り返せる電話
- 一般的な問い合わせ
- 担当者への伝言
- 資料請求
- 営業電話
のように分けます。
この整理をしておくと、後のIVRや質問内容を決めやすくなります。
ステップ2.IVRの分岐を設計する
次に、IVRを使って電話の種類を振り分けます。
IVRとは、自動音声で案内し、発信者に番号を選択してもらう仕組みです。
たとえば、
新規のお問い合わせは1を
既存のお客様は2を
採用に関するお問い合わせは3を
その他の方は4を押してください
という形です。
IVRは細かく分けすぎない
IVRを設定すると、できるだけ細かく分類したくなるかもしれません。
しかし、
- 営業
- 総務
- 経理
- 採用
- サポート
- 契約
- その他
のように選択肢が多すぎると、発信者が迷います。
最初は3〜5個程度の分岐から始めるのがおすすめです。
部署ではなく「用件」で分ける
社内組織の名前ではなく、発信者が分かりやすい内容にすると使いやすくなります。
たとえば、
「営業部は1」
「管理部は2」
よりも、
「サービスのお問い合わせは1」
「ご契約中のお客様は2」
の方が発信者には分かりやすいでしょう。

ステップ3.AIに聞いてもらう質問を設定する
IVRで電話を振り分けたら、次にAIが発信者へ何を聞くかを決めます。
一次受付でよく使う質問は、
- お名前
- 会社名
- 電話番号
- ご用件
- 折り返し希望時間
などです。
質問は必要最低限にする
AI電話サービスでは、さまざまな情報を聞き取れるからといって、質問を増やしすぎないことが重要です。
たとえば、
お名前をお話しください
会社名をお話しください
ご用件をお話しください
というように、1つずつ短く質問すると回答しやすくなります。
電話の種類によって質問を変える
IVRの分岐ごとに質問内容を変える方法もあります。
たとえば、
新規問い合わせ
- 名前
- 会社名
- 問い合わせ内容
既存顧客
- 名前
- 用件
- 担当者名
採用
- 名前
- 希望職種
- 用件
といった形です。
すべて同じ質問をするより、必要な情報を取得しやすくなります。
ステップ4.通知先を設定する
AIが受け付けた内容は、誰かが確認して対応する必要があります。
そのため、通知先の設計は非常に重要です。
たとえば、
- メール
- チャット
- 担当者
- 管理者
などへ通知します。
電話の種類ごとに担当を決める
たとえば、
- 新規問い合わせ → 営業担当
- 既存顧客 → サポート担当
- 採用 → 人事担当
- その他 → 総務担当
といった形です。
通知後の対応ルールも決める
通知を送るだけでは、対応漏れが起きる可能性があります。
そのため、
- 誰が確認するか
- 何分以内に確認するか
- 誰が折り返すか
- 対応済みをどう共有するか
まで決めておきましょう。
たとえばチャット上で、
「対応します」
「折り返し済み」
「対応不要」
と残すだけでも、二重対応を防ぎやすくなります。

ステップ5.本番前にテストする
設定が終わったら、すぐに本番運用を始めるのではなく、実際に電話をかけてテストします。
この工程は非常に重要です。
管理画面上では問題なく見えても、電話をかけると、
- 音声案内が長い
- IVRの選択肢が分かりにくい
- 質問が多い
- 音声の間が長い
- 文字起こしが確認しづらい
- 通知が届かない
- 誰が対応するか分からない
といった問題が見つかることがあります。
テストで確認する項目
本番前には最低でも次の点を確認しましょう。
- 音声案内は分かりやすいか
- IVRの分岐は適切か
- 質問内容は答えやすいか
- 文字起こしを確認できるか
- 通知が正しく届くか
- 担当者がすぐ確認できるか
- 折り返しまでスムーズか
社外の人にも試してもらう
設定した本人は、内容をすでに理解しています。
そのため、初めて電話する人に試してもらうと、
「この案内は分かりづらい」
「どの番号を押せばよいか迷う」
といった問題を見つけやすくなります。
ステップ6.小さく本番運用を始める
テストが終わったら、本番運用を開始します。
ただし、最初からすべての電話をAIへ切り替える必要はありません。
たとえば、
- 営業時間外だけ
- 昼休みだけ
- 電話に出られない時間だけ
- 新規問い合わせだけ
といった限定運用から始めてもよいでしょう。
導入直後は記録を確認する
運用を始めたら、
- どのIVRが多く選ばれているか
- 途中で電話が切れていないか
- 質問に答えてもらえているか
- 通知後の対応漏れがないか
- 不要な質問がないか
を確認します。
AI電話サービスは、一度設定したら終わりではありません。
実際の利用状況を見ながら、少しずつ設定を改善していくことが重要です。

AI電話導入で失敗しやすいポイント
導入時には、いくつか注意すべきポイントがあります。
音声案内を長くしすぎる
説明を丁寧にしようとして長くすると、発信者が途中で離脱しやすくなります。
IVRを複雑にしすぎる
選択肢が多いと利用者が迷います。
質問を増やしすぎる
一次受付で必要以上の情報を聞くと、回答する側の負担が増えます。
通知だけ設定して運用ルールを決めない
通知先は決めたものの、
「誰が対応するのか」
が決まっていないケースがあります。
すべてをAIで完結させようとする
AI電話サービスは、一次受付や情報整理に向いています。
一方で、
- クレーム
- 複雑な相談
- 交渉
- 専門判断
などは人が対応した方がよい場合があります。
AIと人の役割分担を決めておくことが大切です。
AI電話サービス導入に必要な期間は?
導入期間は、設定内容や運用規模によって異なります。
シンプルな一次受付であれば、
- IVRを数個設定する
- 名前と用件を聞く
- メールやチャットへ通知する
といった基本的な構成から始めることができます。
一方で、
- 部署ごとに細かく分岐する
- 複数の質問シナリオを作る
- 緊急時の転送ルールを設定する
場合は、事前設計とテストに時間をかけた方がよいでしょう。
大切なのは、最初から完璧な仕組みを作ることではありません。
まずシンプルに導入し、実際の電話を見ながら改善することがおすすめです。
AIテレフォニスタを導入する場合の流れ
AIテレフォニスタを利用する場合も、基本的な考え方は同じです。
たとえば、
- 現在の電話内容を整理
- IVRの分岐を設定
- 会話シナリオで質問内容を設定
- メール・チャットの通知先を設定
- 実際に電話してテスト
- 本番運用を開始
という順番です。
AIテレフォニスタでは、
- 自動応答
- IVR
- 会話シナリオ
- 通話録音
- AI文字起こし
- メール・チャット通知
などを組み合わせて一次受付を設計できます。
現在使っている代表電話を維持したい場合は、電話転送サービスを利用してAIテレフォニスタへ転送する運用も考えられます。
30日間の無料トライアルを利用できるため、本番導入前に実際の電話受付を試し、
- 音声案内
- IVR
- 質問内容
- 文字起こし
- 通知
- 折り返し運用
まで確認するとよいでしょう。
AI電話サービス導入前のチェックリスト
最後に、導入前に確認しておきたい項目を整理します。
- 現在どんな電話が多いか把握した
- すぐ対応する電話と折り返し対応を分けた
- IVRの選択肢を3〜5個程度に整理した
- AIに聞かせる質問を必要最低限にした
- 通知先を決めた
- 折り返し担当を決めた
- 緊急時の対応を決めた
- 実際に電話をかけてテストした
- 本番後に改善する担当を決めた
これらを事前に整理しておけば、導入後のトラブルを減らしやすくなります。
まとめ
AI電話サービスの導入は、単に電話番号を用意して自動応答を設定するだけではありません。
基本的には、
現状整理
→ IVR設計
→ 質問設定
→ 通知先設定
→ テスト
→ 本番運用
という順番で進めることが重要です。
特に、
- IVRを複雑にしすぎない
- 質問を増やしすぎない
- 通知後の担当を決める
- 必ず実際の電話でテストする
- 最初は小さく始める
という点を意識すると、導入後の失敗を防ぎやすくなります。
AI電話サービスは、電話対応を完全になくすためのものではありません。
AIに一次受付や情報整理を任せ、人は判断や重要な対応に集中する。
この役割分担を設計することが、AI電話サービスを効果的に導入するポイントです。
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