[グラフ入門]三角グラフって何?

今回はなかなか目にかかる機会のない三角グラフの紹介です。用途は限られますが、うまく噛み合えばとても便利なグラフです。

構成比を可視化する

何らかの構成比を可視化したい場面は多々あります。それはアンケートの結果であったり、部門別の売り上げ比率であったりと様々です。

Yes/Noアンケートのように、二つの要素(Yes、No)の構成比を図示するには円グラフ、部門別・店舗別など構成する要素の個数が多く存在する場合は帯グラフを用いるのが一般的です。
しかし、帯グラフや円グラフといった構成比を表すグラフは比較がし辛いという難点があります。比較のために帯グラフ同士の同一要素を示す範囲に破線を引いたものも存在しますが、やはり見易いとは言えません。「比率」よりも「比率の比較」が目的であるのならば違ったアプローチが必要です。

そんなとき役に立つのが三角グラフです。

構成比を比較する

三角グラフは「三要素の構成比の比較」を目的として使われるグラフです。
要素が二つも、四つでも使うことができません。そのため利用頻度は低く、多くの表計算ソフトでも搭載されていません。

実際に用いることのできるデータを見てみましょう。

第一次産業、第二次産業、第三次産業は産業分類方法の一つで、従事者の割合はその国の特性を示すのに役立つとされています。
下の表はいくつかの国の産業従事者割合をまとめたものです。

第一次産業 第二次産業 第三次産業
アメリカ 1.4% 19.9% 78.7%
ブラジル 9.1% 20.0% 70.9%
ロシア 5.8% 16.8% 67.4%
中国 25.1% 27.5% 47.4%
日本 3.3% 23.7% 73.0%
タイ 31.4% 22.8% 45.8%
エジプト 21.6% 26.8% 51.6%
インド 43.3% 24.9% 31.8%
ケニア 61.1% 6.7% 32.2%
モンゴル 25.3% 21.6% 53.1%

(出典:帝国書院)

当然この表だけを見て国ごとの特徴や似た構成比率になっている国などを読み取るのは難しいですね。
帯グラフを用いてこれらのデータを表すと以下のようになります。

それぞれの国のデータとしてみれば見やすいものの、やはり国同士の比較は難しく感じます。
「この中で第二次産業割合の高い国はどこですか?」などと聞かれると、改めてデータを見直すほかありません。

三角グラフを描く

では、三角グラフに起こしてみましょう。

三角グラフは正三角形の三辺を記述する三軸として用いるグラフです。日本のデータをプロットすると下のようになります。
(点の取り方は下のように三辺と平行な線を引くものと、辺に対する垂線の長さを用いるものの2種類がありますが、ここでは平行な線を引くものを紹介します。)

三要素の比率に偏りがあればあるほど、辺や頂点に近付き、逆に均等に近いほどグラフの中心付近にプロットされます。
(例えば第一次産業、第二次産業、第三次産業の割合が0%, 0%, 100%であれば左下の頂点と重なる位置に、33.3%, 33.3%, 33.3%であれば中心付近となります。)

データすべてを三角グラフに表すと以下のようになります。

三角グラフに起こすことで、

  • グループ1:ブラジル・ロシア・日本・アメリカ
  • グループ2:タイ・モンゴル・中国・エジプト
  • インド
  • ケニア

という様な国のグループ分けが見えてきたり、それぞれの要素が軸として存在するため第二次産業の割合が日本、ロシアではどちらが大きいかなどが一見してわかるようになりました。これは帯グラフ同士の比較では難しかったことです。

このように三角グラフは三要素の構成比の比較や大まかなグルーピングなどを目的として用いるにはとても優秀なグラフです。
目的の範囲故に使用頻度は低いですが、頭の片隅においておくとどこかのタイミングで輝くかもしれません。

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ライター:H.I